ソロモン諸島独立と日本の投資、開発

ウェブ検索の中で70年代、すなわちソロモン諸島が独立に向かう時期の日本の資料が出てきて興味深い。

昭和45、46年とソロモン諸島を訪ねた林野庁、林良次氏の報告書。1970年と1971年だ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ttf/0/26/0_1/_pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ttf/0/26/0_1/_pdf

大洋漁業、三井金属のボーキサイト開発以外に南方興産、安宅産業が現地法人に資本参加し林業開発を行なっていることが書かれている。さらに驚いたのはオーサ・ジョンソンという女性冒険家が1917年にソロモン諸島に滞在し、石本という日本人の洋服屋に会っているのだ。ミクロネシアの南洋庁ができる前だ。多分戦争が始まってその石本さんか、その子供が日本軍のスパイとして米軍の本に出てくる。ともあれ、英領時代から林業開発を英国政府と協力して開発しようという日本の様子が窺える。旧宗主国の英国も何もしなかったわけではないのだ。

 

もう一つは1978年、すなわちソロモン諸島独立の年に行われた電気通信幹線網のJICAによる調査報告書。

https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/10433753.pdf

以前日本のODAデータを収集したが通信支援はなかったので、この調査は無駄になったのか?想像するにケーブルアンドワイヤレスの独占のはずだから、日本が参入することができなかったのか? バヌアツのケースを知っている当方としてはC&Wがネックになったのではないかと想像する。40年前に日本が入っていれば通信環境も違っていただろう。。

軍事的南洋進出は間違いだったと思うが、日本は明治初期から多くの日本人移民を太平洋島嶼に送り出し、英豪の人種差別を受けながら地元の産業を支えた歴史は事実である。